ホーム » » 青果小売事業のDXを実現するソリューションの実証を開始

青果小売事業のDXを実現するソリューションの実証を開始

DXによりフードロス削減と収益性向上を目指す取り組みがスタート

2023年から、NTTビジネスソリューションズ、MongTengによって、野菜や果物の小売業に関してDXつまりデジタル技術を用いた新しいビジネス手法の実証を始めています。
具体的には、愛知県内にある商業施設の中に設けられている青果店を中心として複数の店舗で、売り上げや仕入れなどのデータをすべてネット上で共有し分析した内容から無駄のない発注や価格設定などをするという取り組みです。

また、こうしたデータとお店における販売スタッフのシフト作りとを関連させます。
これにより、忙しい時にはより多くのスタッフを配置し、暇になりそうならスタッフを減らして人件費の無駄をなくすことができます。

そのためには、それぞれの店舗をつなぐネットワークを作らなくてはいけません。
その上で、それぞれのお店で売れた商品の情報をリアルタイムにアップしてクラウドに集めます。
その情報はすべてのお店で共有されて、どの商品がよく売れているのか、逆に売れていないのはどれかなどを確認します。
そうすることで、余りがないように次に仕入れる野菜の数や種類を決めることができるようになります。

また、その情報は仕入れ元である農家にも伝わります。
こうすることで、仕入れたものの売れずに捨ててしまう野菜や果物を減らせることになります。
野菜や果物は新鮮さが売りですので、残ってしまうとすぐに捨てないといけませんでした。
こうしたフードロスを減らすためには、デジタル技術を使って無駄のない商品の管理をすることが必要だったのです。

実証の背景について

もともと青果小売業というのは、無駄が発生しやすい事業でした。
というのも、野菜や果物は季節によって、また気候によって生産量が変わるからです。
売れる量に合わせてぴったりの量を作るということはできませんので、どうしても商品が足りない、もしくは余るという状態が起きやすいのです。

今までの状態では、お店で販売される量つまりお客様が求めるニーズが農家にリアルタイムに伝わることがあまりなく、情報共有がしっかりとされていませんでした。
そのため、どのくらいの生産をしたら良いかを判断するのがとても難しかったのです。
そこでこのDX実証によって、今売れている商品がどのくらいなのかを生産者にも共有することで、適切な量を生産し仕入れることができるようになるのです。

また、生産量とニーズのバランスが安定してくれば、販売価格を安くすることも可能となります。
フードロスが減ることで無駄になる仕入れもなくなりますので、利益を出しやすくなりお店側としても助かります。
こうしたあらゆる方面でメリットの大きい取り組みが、実証としてスタートし実用に向けて動き出しているわけです。