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食品卸売りの取引相手

FBIによる食料品流通業の傾向

経済解析試算には、FBIと呼ばれるフード・ビジネス・インデックスがあります。
このフード・ビジネス・インデックスとは、飲食料品に関する経済指標のことです。
食料品工業や食料品流通業といった飲食サービス業に関する価格変化の影響や、活性化などを数値で表しています。
食品流通業界の傾向を見るのにわかりやすいです。

そんなFBIの結果を見てみます。
2018年情半期のFBI総合による指数値は101.5でした。
前期は比0.8%で、3半期連続の上昇となっています。
特に、食品流通業が重要な位置を占めていました。

卸売業と小売業の傾向

FBIによりますと、食料品流通業は、2014年には緩やかながらも上昇していました。
特に上昇傾向だったのは卸売業です。
それにくらべて、小売業は低下傾向になっています。

さらに遡って、2011年から1013何は小売業の緩やかな上昇がみられました。
その半面、卸売業は低下傾向を示していたのです。
このように、食料品流通業で卸売業と小売業が相反する結果を出すのは、なぜなのか取引相手を考えることで探ってみます。

上昇傾向の食料・飲料卸売業が大半を占める

食品卸売業の取引相手の大半は、上昇傾向の「食料・飲料卸売業」です。
食料・飲料卸売業は、二次産品である調味料や飲料、菓子、パンなどを扱っています。

その他に肉・野菜・果物・穀物といった一次産品を扱う「農畜産物・水産物卸売業」もあります。
この「農畜産物・水産物卸売業」の場合は、2013年以降低位傾向です。
それに比べて「食料・飲料卸売業」は2010年から上昇しています。
特に2014年より後になりますと、指数水準がかなり上昇しました。

商業動態統計である販売額から物価上昇分を割り引いた構成比を見てみましょう。
こちらにおいても、「食料・飲料卸売業」の上昇が手に取るようにわかります。
2017年では、「食料・飲料卸売業」が69%という7割近い数字を出していますが、「農畜産物・水産物卸売業」は31%です。

こうしたことから、飲食料品卸売業が好調である背景には、「食料・飲料卸売業」の上昇傾向の影響がわかりました。
「食料・飲料卸売業」との取引によって、飲食料品卸売業の動きが活発になったのです。

食品工場や外食産業も有力な取引先

食品工場や外食産業も、食料品卸売業の有力な取引先です。
もはや、食料品卸売業の取引先は、小売業者のみではありません。

農畜産物・水産物卸業においても、小売業者との取り引きは3割ほどですが、食料・飲料卸売業では5割ほどです。
このように、食料品卸売業は、小売業者以外に販売網を広げています。
特に食品工場や外食産業との関わりは、今後も長く続くと考えられます。

食料品流通業界において、小売業者と卸売業とは離れつつあります。
今後も食料品卸売業の動きが、どのようになるのか見ていきましょう。