魚の流通の特徴は2つの卸売市場
マグロやアジなどの刺身が好き、焼き魚や干物が好きという人は多いものです。
そんなおいしい魚が食卓に届くまでには、流通があります。
今回は魚の流通について、コールドチェーンとともに説明しましょう。
実は、魚の場合、2つの卸売市場を通るという特徴が存在します。
1つめは生産地の卸売市場、2つめは消費地の卸売市場です。
2つある理由は、魚介類が傷みやすいため、より新鮮さを保つ必要があるからです。
産地の卸売市場の役割
産地の卸売市場の役割は、魚の鮮度や大きさから、値段や販売先を決めることです。
生産者は、こうした卸売業者に魚や貝類を託します。
卸売市場での振り分け方の基準は、数や値段、品質です。
高級料理店には数が少なく、値段が高いものを振り分けます。
そして、品質は申し分ないけれども、今売るにはもうけが少ないと思われるものは冷凍用にします。
消費地の卸売市場の役割
消費地の卸売市場の役割は、全国の生産地の卸売市場から、魚や貝類などの水産物を集めることです。
たとえば、東京都の豊洲や大阪市福島などの都市に卸売市場が開設されています。
しかし、最近は、大手商社や流通業者が介入してきているために、卸売市場のあり方も変わってきています。
隣接してショッピングセンターやレストランなどが建設されている地域も出てきました。
魚の流通における一連の流れ
魚の流通における一連の流れを説明します。
まずは、コールドチェーンという仕組みについてです。
コールドチェーンは、魚の鮮度を保つために、港で水揚げされてすぐに冷蔵や冷凍で運ばれる仕組みです。
漁獲後の船倉では、氷詰めを行います。
氷と海水を混ぜた水氷により、魚は新鮮な状態を保てるからです。
マグロの遠洋漁礁を例にしましょう。
漁獲されたマグロは、漁船の中で冷蔵庫に入れられ、急速冷凍します。
1航海に何か月も要する遠洋漁業ですと、このような対策をしないと、苦労して手に入れた多くのマグロが傷んでしまいます。
漁港に着くと、-40℃の冷凍・冷蔵庫に入れて完全に冷凍され、そのまま冷凍貨車などで輸送されます。
消費地の卸売市場でも、冷凍・冷蔵庫にいれられて-20℃で保存します。
そして、魚店やスーパーマーケットで売りに出されて消費者の食卓に並べられるのです。
販売される魚店やスーパーマーケット、デパートの魚売り場では、魚を冷凍ショーケースに並べるなどで、新鮮さを保てるように工夫しています。
このように、コールドチェーンによって、消費者は新鮮でおいしい魚を口にすることができます。
私たち消費者がおいしい刺身や切り身などを口にすることができるのは、こうした漁業関係者のたゆまない努力があるからです。
食卓に上った魚は、残さずにおいしく頂きましょう。